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署名・捺印の効力(2)

今回は、契印と割印についてです。以前にクライアントご担当者様よりご質問を
頂きましたので、他にも法律関係の書類を扱う企業の部署の方にも少なからず参考に
なればと思い、ご紹介したいと思います。

例えば、不動産の賃貸借契約書などで契約書をご覧になったことがあれば、ご存知かもしれませんが、契約書が2枚以上にわたる場合、その押印したページ全てに契約書の
効力が及びますよということを示すのが契印です。
 ↓以下の画像を参照ください。
                  (契印画像)


また、契約書の頁が多くなる場合には、「ホチキスどめ」あるいは「袋とじ」されている場合があります。後者のほうがより枚数が多くなる傾向にあります。

まず、「ホチキスどめ」の場合ですが、以下の画像ように、一枚目の紙の裏面と2枚目の紙の表面に半分ずつまたがるように押印します。

               (ホチキスどめ画像)
                  
次に、「袋とじ」の場合ですが、以下の画像のように、契約文書をすべてとじ(一般的にはホッチキスでとじられるかと思います)、その上から製本テープで固定します。

                (袋とじ画像)

以前にいただいた質問は、契印の方法として、「ホッチキス止めしてまたがるように押すものとテープの上から押すものがあると聞いたけど、どう違うの?」というものでした。
これに対するご回答としましては、「どちらも効力に違いありません」です。
それぞれどういった書類に用いられるかと申しますと、私の経験からは、「ホッチキスどめ」の例では、不動産に関する契約書、「袋とじ」の例では、(会社設立の際の)定款などでしょうか。

あまりに多くの頁に逐一契印を押印していくのは、正直面倒でもあるのです。そこで、製本テープで止めてしまって、その箇所にのみ割印することによって、製本内の全ての頁に
効力が及んでいるということを示すことができるのです。

※参考文献
署名・捺印の法律問題
加藤英男著

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