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署名・捺印の効力(1)

今回はまず「捨印」についてご紹介いたします。
「捨印」とは、契約書等の文書において、後からその文字の訂正を可能にする欄外に押印しておく印のことですね。
私も最近、クレジットカードを作成しましたが、その際に発行会社から捨印の押印を
求められました。

ただ、捨印は原則として押印してはいけないものです。
なぜならば、後日どういった訂正をなされるか分かりませんし、場合によっては悪用される可能性も十分に考えられるからです。
ですから、その人と強固な信頼関係を築いていない場合には、捨印の押印は拒否するのが無難です!

実は、我々も「委任状」にて捨印を頂くことが少なくないのです。
例えば、諸官庁に提出する中で、やむを得ず、記載事項に不備を指摘された場合には
別途お客様から書類を頂かなければならず、その手間を省くためにも、あらかじめ
訂正印を頂いておき、柔軟に対処できるようにするためです。
したがって、私もお客様から捨印を頂く際には、リスクをご説明させていただくように
配慮致しますので、万一説明不足があった場合にはどうぞ遠慮なくご指摘をお願いいたします。


※参考文献
署名・捺印の法律問題を徹底理解
加藤英男著

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署名・捺印の効力(2)

今回は、契印と割印についてです。以前にクライアントご担当者様よりご質問を 頂きましたので、他にも法律関係の書類を扱う企業の部署の方にも少なからず参考に なればと思い、ご紹介したいと思います。 例えば、不動産の賃貸借契約書などで契約書をご覧になったことがあれば、ご存知かもしれませんが、契約書が2枚以上にわたる場合、その押印したページ全てに契約書の 効力が及びますよということを示すのが契印です。  ↓以下の画像を参照ください。                   (契印画像) また、契約書の頁が多くなる場合には、「ホチキスどめ」あるいは「袋とじ」されている場合があります。後者のほうがより枚数が多くなる傾向にあります。 まず、「ホチキスどめ」の場合ですが、以下の画像ように、一枚目の紙の裏面と2枚目の紙の表面に半分ずつまたがるように押印します。                (ホチキスどめ画像)                    次に、「袋とじ」の場合ですが、以下の画像のように、契約文書をすべてとじ(一般的にはホッチキスでとじられるかと思います)、その上から製本テープで固定します。                 (袋とじ画像) 以前にいただいた質問は、契印の方法として、「ホッチキス止めしてまたがるように押すものとテープの上から押すものがあると聞いたけど、どう違うの?」というものでした。 これに対するご回答としましては、「どちらも効力に違いありません」です。 それぞれどういった書類に用いられるかと申しますと、私の経験からは、「ホッチキスどめ」の例では、不動産に関する契約書、「袋とじ」の例では、(会社設立の際の)定款などでしょうか。 あまりに多くの頁に逐一契印を押印していくのは、正直面倒でもあるのです。そこで、製本テープで止めてしまって、その箇所にのみ割印することによって、製本内の全ての頁に 効力が及んでいるということを示すことができるのです。 ※参考文献 署名・捺印の法律問題 加藤英男著

ブログの移転のお知らせ

皆さん、こんにちは。 行政書士ユウ法務事務所です。 いつも本ブログをご覧いただきまして誠にありがとうございます。 既に ホームページ ご覧の読者様も多くいらっしゃると思いますが、先日ホームページをリニューアルいたしまして、今までよりも刷新しまして皆様にお役に立てるようにすべての機能を こちらのホームページ に移転させていただきました。 もし引き続き、当事務所のブログをご覧になりたいという方は 「 ユウ法務事務所のコラム 」 にて執筆をつづける予定でおりますので、よろしければご覧いただければ幸いです。 皆様によりよい情報、そして行政書士について知っていただくためにも精進してまいりますので今後とも何卒よろしくお願いいたします。 平成29年9月24日 行政書士 木村友紀

事業の革新性とニーズ その1

先日、ある起業家の方とお話をする機会がありました。 起業された当時には、前の会社からのお客さんがついており安定していたが、 数年が経ち、売り上げが伸び悩んでいるということでした。 その方は事業の新たな方向性を考えてはいるが、それが上手くいくか分からない ので不安であるという悩みも持たれていらっしゃいました。 事業を立ち上げるとき、すなわち起業の際にはたいていある程度の創業計画を立てるものですよね。もし起業者が資金調達により融資を受ける場合はなおさら、日本政策金融公庫を始めとする金融機関に創業計画書を提出しなければいけません。実は、この作業というものは、非常に重要です。たとえ、資金調達を受けないとしても、私の考えとしては、頭の中だけではなく、創業計画を文章として言語化するべきだと思います。 言葉にすることで、よいことがいくつかあります。 例えば、以下のようなものがあるでしょう。 1.思考が明確になること、冷静になること 2.数字に出すことによって、より客観的に事業を評価することが出来ること 3.将来の事業計画を想起することが出来ること 私も融資を受けようと創業計画書を書きましたが、今では非常に良かったと感じています。実は創業当時、創業計画なんて頭の中で多少なりとも考えていればそれで十分ではないかと鷹をくくっていたのです。すると、いろんな人と話をさせていただく中で、それでもやはり創業計画は文章化するに越したことはないという結論に達しました。 まさか、と思われる方も一度お試しください! 本来、本件のような内容は同期の先生方と執筆しておりますこちらのコラム「 気軽に相談できる奈良の行政書士のコラム 」のほうで書くべき内容ではありますが、タイムリーな内容でしたので、一つこちらでも書かせていただきました。 もしかしたら、上記コラムでも重複する内容を記載するかもしれませんが、ご了承ください。