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事業の革新性とニーズ その2

さて、少し前置きが長くなりましたが、
事業の革新性とニーズ その1での続きとなります。
事業の方向性を定めるにはどうしたらよいのでしょうか?

つまり、創業計画でいうところの、事業内容についてですね。
まず、事業を始めるということは何らかの前提条件があるかと思います。
例えば、以前から某会社に勤めており、その知識を生かして独立したいと考える
場合。あるいは某会社に勤めていたが、あるきっかけで事業のアイディアを思いつき、
その実現を試みたいと考えた場合。他には、私たちのような士業ですと、資格を取れば
即独立できるビジネスですから、試験合格後に独立を目指す場合もあるでしょう。
要は、何でもいいのです。
ただし、事業を始めるにあたっては、どのようにしてマネタイズしていくかを考える必要があります。

ここで、いくつかの問題があります。事業アイディアというものは、「全く同じではないが同じ類のものを既に他の誰かが考えてしまっている」というものです。このテーマは、極めて重要でいずれ他の回でも書かせて頂こうと思っているのですが、この考えをきちんと理解していないと現代の起業としてはうまくいかないのではないかと個人的には考えています。つまり、事業の内容を決定する際には、競合状態を検討しなければいけないのです。

ここで、ブルーオーシャンといわれる競合が全くない、あるいはほとんどない状態であればかなり急成長が見られるでしょう。ある逸話があります。ある外国人二人は船で靴下を売ろうと考えていた。しかしながら、その島の住人は靴下を履くという習慣を持っていなかった。これを見て、ひとりの外国人はこれをチャンスとみて、靴下をこの島に広めようと考えた。一方で、もう一人の外国人は残念ながらこの島では靴下は普及しないだろうと考えた。さて、結果はというと、前者の外国人がボロ儲けしたのです。
ただし、注意しないといけないのは、前者の外国人にはニーズがなかった状態からニーズを発掘できる力があったということが言えるかと思います。

一方で、レッドオーシャンといわれる競合状態がひしめき合っている市場も存在します。
この市場からいえることは、その市場に対しては少なからずニーズというものは存在するということです。ただし、そのニーズに対して新たに参入して顧客がつくかどうかは別の問題ですが。。

きちんとニーズを考慮しないと事業がうまくいかないというのは、なんとなく感じていただけたでしょうか。私自身の行政書士としての事業性の考え方も創業当時に比べるとかなり変化してきています。機会がありましたら紹介させていただきますね。また、本ブログでもあるいは同期の先生方のコラムにでも執筆致しますので、よろしければご覧いただければと思います。

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